お怒りの電話
2000年 神奈川県 温泉旅館より
通常のお取引をさせて頂いてから5年ほど経った頃、ある旅館の女将さんより 、お正月用に仲居さんの着物を作りたいとのお電話を頂きました。 早速、対応させて頂き、年末に、無事納入させて頂きました。
1月後半、「すごい電話!」と女性スタッフから電話を取り次いで、至急、お話を伺うと 「新年より着用して1ヶ月も経たないのに着物の裾がすれて壊れてしまった」と言う、お怒りになって当然と言う内容のものでした。 今まで何年もこの仕事をしてきて、こんなことは初めてでしたので、すぐに回収させていただき、 東レさんのご協力の下、研究室で調べた結果、 着物の白生地の間違いが判明、全て引き取り、新しい物に交換いたしました。 本当に申し訳ないという思いを女将さんにも社長さんにも認めていただき、今では最も信頼を頂いて、 太いパイプでつながり、袢天、座布団、売店グッズ等も納入させて頂いております。
一方で、東レさんは大変です。 白生地は200反織っており、100反くらいは出荷してしまっていたようで、 我が社で染めた48反の他、市場に出回っている50反分を探し出し、 回収して、200反全部焼却処分をしてしまったそうです。 この辺の動きは、さすがに一流企業だと思いました。